梅干しって、身体にいいのはわかっていても、なかなか現代の食生活では取り入れにくかったり、なんとなく食べることが減ってしまっていますよね。
でもそんな梅干し、「日本の昔ながらの発酵食」として甘酒やお味噌が再注目されているのと一緒に、その栄養や効能が再注目されてきています。
最近では、そんな再注目からオーガニック店での梅干しの人気も非常に高く、私が勤めていたオーガニック店でも、人気ベスト3に入る程でした。
とは言っても、なかなか普段の食事への取り入れ方ってよくわからないですよね。
減塩ってよく聞く現代で、梅干しの塩分がすごく気になったり。梅干しだけでそんなにいい効能って本当にあるの?となんだか疑問だったり。
だけど、美容に健康に関心があるならば、絶対に日常で食べて欲しいのが梅干しです。
海外のスーパーフードを取り入れるよりも高い効能があり、何よりも昔からのこの伝統食は日本人の身体にとっても合うんです。
実はそんな私も梅干しのパワーに魅せられて、オーガニック店に勤めていたこともあり、毎年梅干しは6~10kg手作りしています。
そして、梅干しの作り方や、現代での食事への取り入れ方のワークショップも行っています。
そこで今回は、私のそんな経験を活かして、梅干しの栄養や効能に興味を持ったあなたのために、たっぷりと梅干しのパワーをご紹介します。
こんなにすごい食品、取り入れなきゃもったいないですよ。ぜひ、梅干しのすごいパワーをどんどん取り入れて、健康も美容も手に入れてくださいね。
梅干しは最強デトックス食材!
「デトックス」という言葉をよく聞きますが、実はもっとはるか昔から「毒消し」という言葉で日本人は食卓にデトックスをきちんと取り入れてきました。
例えば、お刺身には大根を添えたり、魚の煮つけには生姜がつきものですよね?
鶏といえば「鴨がネギをしょってくる」というほどネギをイメージしますよね?こうして、いわゆる毒素と呼ばれる身体に不要なものが体内に残らないように、食べ合わせをしてきました。
そんな色んな「毒消し」の食べ合わせがある中で、実は「梅干し」って最強の効能を持っているんです。それが、昔からのことわざ「梅は三毒を断つ」で伝えられています。
梅干しが断つ「三毒」とは
三毒というのは、「食」毒「水」毒「血」毒のことを言い、
- 食生活の乱れによる毒素をデトックスしてくれる働き
- 身体に溜まった余分な水分をデトックスする働き
- 高い糖分や油で酸化してどろどろになった血の汚れをきれいにしてくれる働き
この3つの働きをしてくれる「万能食材」として、昔から親しまれてきたんです。
梅干しは他にもたくさんの栄養素を持っていることから「地震などの天災には必ず梅干しを常備しておきなさい」と私は祖母に習いました。
梅干しにはこんな逸話も残っている
栄養素もありながらお腹の調子を整える効果も高く、大正に起きた関東大震災では、焼け残った壺の梅干しに命を助けられた人も多くいました。
それから、梅干しを漬けることが家庭でもさらに広まったんだとか。
長崎の原爆では、放射能から身を守るために「わかめの入ったお味噌汁と梅干しを食べなさい」と指導したお医者さんもいたんだそうです。
もちろん、この時代は科学的な根拠がなく、あくまで一説に過ぎませんが、そんな話が残っているほど、日本人の食卓を助けてきた身近なものなんですね。
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梅干しの栄養はこんなにたくさん!!
カルシウムと鉄分が実はとっても豊富!
女性にとって、一番多い症状の貧血。貧血って現代ではありふれていますが、甘く見ていると不妊はもちろん大きな病気に繋がったり、末端まで栄養が行き届かないので冷え性の原因になります。
そして、もっとも困るシミやくすみ、白髪などの「老化」の原因にもつながります。これだけは、なんとしてでも避けたいですよね。
実は梅干しにはこの小さい実で、多くのカルシウム・鉄分・リン・カリウムと豊富なミネラルを含んでいます。
りんご一個と比較しても、ミネラルは4~6倍と言われます。さらにはビタミンB1・B2、ビタミンCまでととにかく栄養豊富。
さらに、カルシウムや鉄分の吸収率をあげてくれる働きまで持っています。
そのため魚類と食べれば吸収率はアップします。だから、ごはんにちょんとのせる、ほんの少しの量でも高い健康・美容への効能をもっているんですね。
クエン酸は疲労回復だけではない!
梅干しのクエン酸は、疲労回復に効果があるというのはすでにご存じではないでしょうか?一番有名な、梅干しの栄養ですよね。
でもこのクエン酸、乳酸が溜まらないように、疲労回復に効くだけでなく「老廃物」のデトックスにも効果があるんです。
梅干しは特に砂糖の毒消しに効果があるとされていたのですが、実際に糖質の代謝を高めてくれるんです。
そのため、糖質をエネルギーにスムーズに交換してくれるのでダイエットにも効果がありますね。梅のクエン酸は肩こりや腰痛にも効くことがわかっています。
クエン酸とピクリン酸が「腸活」に活躍!
梅には便通の改善にも効果があり、腸活には最適の食材です。最近流行りのファスティングや断食明けにも、始めに食べる食材として必ず梅干しがあがります。
見るだけで唾が出るので、夏バテの時の食欲増進にいいというのはご存じだと思います。
でも、夏以外でも、食欲不振でない時でも胃腸の働きを高めて、消化吸収をよくしてくれます。
梅干しは老化を予防する万能アルカリ食品
女性にとって、できるだけ避けたいのが「老化」ですよね。永遠のテーマです…。
そんな老化の大敵は「身体が酸化すること」です。この身体が酸化する原因となるのが、お肉・お魚・油・お酒やあふれた食品添加物など。
これらを大量に食べ、現代社会で運動不足が重なることで血液が酸化して、血がどろどろの状態、血の流れが悪くなり老化の原因となります。
そればかりでなく、積み重なって動脈硬化などの病気になるのは避けたいですよね。
そこで役に立つのが「アルカリ食品」の梅干しなんです。梅干しはそんな酸化した身体を中和してくれる働きをもっているので、身体の老化を予防するだけでなく、血をサラサラにして健康も美容も保ってくれるんですね。
さらに嬉しいのは、栄養価が高い梅干しで身体を中和するには、量がほんの少しでいいということ。いつも通り、ごはんが進む程度の量でOKなんです。
この梅干しと同じ効果をサラダで摂ろうと思うと、きゅうりでなんと9本分。ちょっと一日で食べられる気がしません(笑)
日常に取り入れやすい梅干しの使い方おすすめ4選!
だけど、ごはんにのせて食べたりおにぎりにしたりって、今の食生活ではなかなか、しなくなりましたよね。
私が勤めていたオーガニック店でも「梅干しの効能を知って食卓に取り入れたいけど使い道がわからない」「子どもが、主人が食べてくれない」という相談がよくありました。
例えば「いわしの梅煮」は梅干し料理の代表のようにレシピがたくさんありますが、今は働きながらいわし料理ってなかなか大変。面倒で、と言われることが殆どです。
そこで、おすすめなのが、もっと手軽に簡単におかずに混ぜて使うことです。これは本当に、みなさんにおすすめして大人気の食べ方でした。ぜひ、試してみてくださいね。
水菜と梅干しと海苔の磯部和え
一番の人気がこれ、今では水菜は年中出ているので、お弁当の一品や彩に困った時にも便利です。
水菜は生でも、さっと湯通ししてもOKです。包丁で叩いた梅干しと、刻みのりを和えるだけです。これが意外と美味しいので箸が止まらないですよ。
小松菜・ほうれん草のおひたしに梅干しを混ぜ込み
梅干しはカルシウムや鉄分の吸収率をアップしてくれるので、菜っ葉類のおひたしに梅干しを混ぜるのは効能アップなうえに、美味しくて手軽でオススメです。
梅干しが入る分、いつもよりお醤油の塩分は控えてくださいね。
こちらも、いつもおひたしに叩いた梅干しを混ぜるだけ。包丁でたたくのが面倒だったら、ラップで包んで、上から指でぐにぐに潰せば楽ちん簡単です。
梅干しの高い殺菌力が食中毒予防にもなるので、お弁当にもぴったりなんです。
梅干しと一緒におじゃこを加えたり、ごま、かつおぶしを加えたりすれば、色んなバリエーションができて飽きることがないですよ。
チキンや豚肉、鮭や白身魚の梅チーズのホイル焼き
鮭の切り身や白身魚の切り身、ここに塩胡椒と叩いた梅干しを塗って、お醤油で味をつければ、「ポン酢焼き」のような味わいになります。
鶏肉や、豚肉にも同じように使えるので、迷ったら千切りキャベツを下に敷いて一緒にホイル焼きにしちゃえば簡単です。
梅干しとチーズというのも実は意外と相性が良く、カルシウムの吸収にも効果があるので、叩いた梅干しと溶けるチーズをのせて、塩胡椒で味を調えてホイル焼き。
これなら、忙しい日の夜ごはんにも簡単ですね。
サラダトッピングに炒めひじきの梅和え
私の貧血対策におすすめメニューがこれです。水で戻したひじきを、弱火でじっくりとごま油で炒って、冷めたら叩いた梅干しを混ぜておきます。
そして、一週間程、冷蔵庫で保管できる作り置きに。
このままお弁当のごはんにササっとかけたり、私はサラダのトッピングによく使っています。
おひたしに混ぜてもいいですよね。ひじきの代わりに、カラカラに炒ったおからを使うのも、腸内環境を整えてくれるのでおすすめです。
梅干しを多めに入れると、殺菌効果で長持ちしますが、塩分の好みがあるので味見しながら量を調整してみてくださいね。
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まとめ
今回は梅干しの栄養とその効能、そして日常での簡単な梅干しの取り入れ方をご紹介しました。
昔から日本人に親しまれてきた梅干しパワーは本当に計り知れません。ぜひ、そんな梅干しパワーを上手に取り入れて、美容も健康も手に入れてくださいね。