混ぜるな危険。
お掃除でよく目にする表示ですが、
ではいったい、何と何を混ぜたら危険なのか、ご存知ですか?
「混ぜるな危険」は大きく目立つように書いてあるもの、何と混ぜちゃいけないのかは、よく見ないとわかりませんしね。
- 混ぜたらどうなるの?
- 何だったら混ぜても大丈夫なの?
- 誤って混ぜてしまった時の対処法は?
意外と知らない日常の疑問を解決します。
「混ぜるな危険」から有毒ガスが発生する理由
お風呂のカビキラーやキッチンハイターなど、「混ぜるな危険」と書いてあるものは、塩素系漂白剤という種類のものです。
この塩素系漂白剤には、次亜塩素酸ナトリウムというものが入っています。
この次亜塩素酸ナトリウムは、強い漂白・殺菌作用があり、プールのあのツ~ンとした臭いはこの臭いです。
この次亜塩素酸ナトリウムが、強い酸性の物質と混ざった時に、猛毒の塩素ガスが発生します。
これが「混ぜるな危険」の意味になります。
何と混ざったら危険?
では、「混ぜるな危険」の漂白剤は、何と混ぜたら危険なんでしょうか?
お掃除中に気を付けないといけないのはこの2つ。
- 酸性の洗剤(サンポールなど)
- お酢やクエン酸などの酸性物質
混ぜちゃいけない相手は、洗剤とは限らないので気を付けてください。
また、
- 空気中の炭酸ガス
も塩素ガスを発生させます。
カビ取り剤を使用して長時間放置したときに、臭いで気持ちが悪くなったりするのは、空気中の炭酸ガスと結合して塩素ガスが発生するからです。
そのような場合は必ず換気扇を回して換気を十分にするようにしましょう。
逆に、大丈夫なものは?
- 混ぜるな危険どうし(塩素系と塩素系)
- キッチンの中性洗剤や弱アルカリ性洗剤(中性、アルカリ性のもの)
- 重曹
- アタックEXなどの弱酸性の商品
大丈夫というのは「塩素ガスが発生しない」という意味です。
効果が落ちるなどの影響がある場合はあります(アタックEXなど)。
混ぜちゃいけないものの見分け方
混ぜたらいけないのは「酸性タイプの商品」なんですが、塩素ガスを一定量以上発生させる危険な商品には、「混ぜるな危険」の表示義務があります。
また、商品のラベルに「液性」という表示があり、ここに、塩素系・酸性・中性などと書かれています。
酸性タイプのものを混ぜると危険です。
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塩素ガスとは?
猛毒と言われる塩素ガスですが、いったいどんなものなんでしょう。
ちょっと調べてみました。
塩素ガスは化学兵器の歴史を持つ
混ぜるな危険を混ぜた場合に発生する塩素ガスは、かつて毒ガス兵器として戦争でも使われた猛毒です。
第一次世界大戦中の1915年、ドイツ軍が攻撃のために使用した塩素ガスによる化学兵器は、歴史上初の化学兵器として記録に残っているんです。
そんなものを吸い込む可能性があるのですから、「混ぜるな危険」を軽く見てちゃいけないわけです。
塩素ガスを吸い込んだ時の症状は?
吸い込むと、鼻がツンとするような感じになり、軽度でも呼吸困難・頭痛・めまい・吐き気などの症状が出ます。
多く吸い込むと、最悪の場合、塩素中毒で呼吸困難になり、死に至ります。
塩素ガスを吸い込んでしまったら?
万が一吸い込んでしまった場合は、すぐに作業を中止してその場を離れ、換気をして新鮮な空気を吸い、うがいをしましょう。
特に何の症状も残らなければ大丈夫です。
吸い込んだ塩素ガスは、塩素イオンと言う形で血液に解けて、ナトリウムイオンなどで中和され、汗や尿として排泄されます。
万が一回復しない場合には、製品を持って医師の診察を受けましょう。
発生した塩素ガスを排出するには?
塩素ガスは空気よりも重い性質を持つので、外に出すためにはほうきで履くなどして拡散しましょう。
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塩素ガス発生による死亡事故例
「混ぜるな危険」と大きく表示されるようになった理由は、過去に、死亡例を含む事故が相次いだからです。
1987年の死亡事故
1987年12月、徳島県の主婦が、カビ取り剤とトイレ洗浄剤を使って風呂掃除をしている途中で死亡した。
これが塩素ガスによる初めての死亡事例となった。
1989年の死亡事故
1989年1月、長野県の主婦が、塩素系の洗浄剤を使って風呂掃除をしていたところ死亡した。
これが2件目の死亡事例である。
その他
塩素ガスは空気より重いため下に溜まる性質があります。
そのため、以前に、塩素ガスで自殺をはかろうとした人の、下の階に住んでいた住人が、巻き添いになって死亡する事故もあったそうです。
まとめ
「混ぜるな危険」の文字は確かに大きく目立つように書いてありますが、あまりに馴染み深くなってしまっているため、「大丈夫だろう」と軽く考えてしまいがちです。
でも今回、発生する塩素ガスがどれだけ恐ろしいかを再認識しました。
使用する際には、正しい知識を持って事故のないように利用しましょう。
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