うなぎといえば、やっぱり「土用の丑の日」のイメージが強いですよね。昔から土用の丑の日には「う」がつくものを食べるといいという言い伝えがあり、江戸時代の発明家・平賀源内がうなぎ屋にすすめたことが始まりというのは有名な話です。
現在も土用の丑の日には「暑い時期にうなぎを食べることで夏バテを防ぐ」といわれていますが、うなぎにはどんな栄養があって本当に夏バテにきくのかなど、根拠をご存知ですか?
うなぎの栄養や効能についてまとめました。
うなぎの栄養と効能とは?夏バテ防止にうなぎが効く理由とは?
土用の丑の日に「う」がつくものを食べる、これはもともとはうなぎに限った話ではありません。ゲン担ぎなので、「う」がつくものなら何でも良かったのです。
うなぎが定着したのは、うなぎにきちんと夏バテ防止の栄養素が備わっていたからこそなんですよ。
うなぎの栄養とは?
うなぎには体にいいとされる成分が豊富に含まれています。疲労回復の効果があるビタミンB群をはじめ、美容や健康、脳卒中の予防、骨を丈夫にする、高血圧予防などさまざまな栄養素を含んでいるんですよ。
うなぎに含まれる代表的な栄養素は以下のとおりです。
ビタミンA
うなぎはビタミンAを含む食品の中でもトップクラスでビタミンAが豊富な食材です。
ビタミンAは目や粘膜に欠かせない栄養素で、うなぎのかば焼き半分(50グラム)で成人男性が一日に必要なビタミンAが摂取できます。
ビタミンB群
うなぎはビタミンB群も豊富に含んでいます。ビタミンB1は糖質をエネルギーに変える働きをします。ビタミンB2は皮膚や粘膜の再生に働く栄養素で、人の成長には欠かせません。
どちらも、うなぎのかば焼き一本(100グラム)で成人男性が一日に必要な量の半分から7割を摂取できます。
ビタミンE
ビタミンEは細胞の老化を防ぐ効果があり、「若返りのビタミン」とも呼ばれています。体内では作られず、食事でしかとることができない栄養素です。
うなぎのかば焼き一本で成人男性が一日に必要とする量の8割を摂取できます。
DHA
頭がよくなる栄養素といわれるDHA(ドコサヘキサエン酸)も、うなぎには豊富に含まれています。記憶力以外にも心臓病や高血圧、脳卒中、動脈硬化の予防や改善に期待できる栄養素です。
夏バテ防止のうなぎというのは何を根拠に言われているのか?
うなぎには豊富な栄養があることがわかりましたが、なぜ「夏バテ防止」といわれているのかその根拠が気になりますよね。
「夏バテ」とは何が原因かというと、ひとつは栄養不足。暑い夏にはたくさん汗をかいて体力を消耗するので、失った分の栄養をしっかり補わないといけないのに、食欲がない…という状態が「夏バテ」です。
冷房による気温の変化で自律神経が乱れることも、夏バテの原因のひとつといわれています。夏バテの原因にはいろいろありますが、うなぎに含まれる豊富な栄養素でカバーできる部分が多いんですよ。
夏バテの症状にきくうなぎの栄養とは?
さまざまな栄養素が含まれるうなぎには夏バテの症状にきくものがたくさんあり、これが「うなぎは夏バテを防止する」といわれる根拠です。
うなぎに豊富に含まれるビタミンB群には「ナイアシン」という成分があり、脂質・糖質・たんぱく質などを分解して効率よくエネルギーにまわしてくれる栄養素です。暑さに負けて体がだるいときにききそうですね。
ビタミンB群のひとつ「ビタミンB1」には疲労回復効果があり、夏バテの原因になる血液中の乳酸を抑制します。汗をかくことで不足しがちなビタミンB1も、うなぎは豊富に含んでいます。
うなぎに含まれる栄養素である「ビタミンA」は皮膚や粘膜を丈夫にし、夏風邪の予防にもぴったりです。
「ビタミンE」は抗酸化作用が強く、紫外線でダメージを受けた肌の老化を防いでくれます。
うなぎのお供も夏バテにきく!
うなぎのかば焼きといえば、山椒をかけて食べる人も多いですよね。
山椒には胃腸の働きを助け、抗菌作用があるなどこちらも夏バテにきく栄養素を含んでいます。
うなぎを食べるときには山椒をかけるのがおすすめです。
ビタミンCを補給しよう
うなぎは夏バテを防止する豊富な栄養素が含まれていますが、残念ながら「ビタミンC」を含んでいません。ビタミンCも体に必要な栄養素なので、うなぎとは別の方法でしっかりと補給しましょう。
ビタミンCはゴーヤ、ピーマン、とうもろこし、ししとうなどに豊富に含まれているので、意識して摂取してくださいね。
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まとめ
うなぎは体に必要な栄養素を豊富に含んでいて、とくにビタミンAの含有量は食品のなかでもトップクラスです。土用の丑の日で食べる「夏バテ防止のうなぎ」というのは、きちんとした根拠がありました。
唯一、ビタミンCが含まれていないので、うなぎとは別にしっかりとビタミンを補給しましょう。
うなぎは高級食材というイメージでなかなか食べる機会がないですし、もちろん一度食べただけで夏バテを完全に解消できるわけではありません。
それでも、土用の丑の日の行事食としては定着していますし、ひと夏に一度くらいは食べるのがおすすめです。