おせちはいつから作り始める?黒豆を作るベストなタイミングとは?

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縁起のいいものを並べるおせち、市販のものも助かりますが、味が濃かったり合わなかったり、できれば一品でも手作りしたいですよね。

とはいえ、大掃除や買い出しで疲れている大忙しの年末に、ひとつひとつ作っていくのはなかなか大変な大仕事。

すべての忙しさも乗り越えながら、このおせち準備もいかに手際よくどこまで頑張れるかなんて、本当に年末最後の戦いです。

そんな中でも、意外といつ作るかタイミングを迷うのが「まめに(達者に)働けるように」と無病息災を願う黒豆です。

「神様をお迎えしている三が日の間は炊事をしてはいけない」という昔ながらのならわし、腐らせてしまうわけにはいきませんよね。

黒豆は、浸水時間から考えると予想以上に時間が掛かるし、早く作りすぎると悪くならないか心配だし、ギリギリになるとコンロや置き場所を占領してしまって段取りが上手く進まない!なんてことにもなってバタバタしてしまうのも避けたいです。

年末の大忙しの時期はぎりぎりまで働いて、年末になって必死で作っている私も、昔ながらの風習や段取りを祖母と母に仕込まれたおかげでなんとかスムーズに準備ができるようになりました。

ヘロヘロになって紅白歌合戦は半分寝てますけどね(笑)

そこで今回は、そんな私が祖母から仕込まれた経験を基に、黒豆を無駄にすることなくベストタイミングで、なおかつスムーズにおせちを仕上げていくためにいつ作るべきか、その注意点をご紹介します。

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おせちを作る上での注意点とは?

お正月のことはじめとは?昔はいつから準備していたの?

新しい年を迎える元旦は、特におめでたい格別の日。年神様をお迎えしているので、三が日は炊事をしてはいけない、というならわしがありますよね。

そのため、日持ちする料理を年末に作って、三日間かけて食べるのがおせちです。そうは言われても、大晦日に一日で全部を準備するなんてゾッとしますよね。

そのために、昔ながらの風習としては正月のことはじめを12月13日として、その日から材料を集めたり、煮しめを作ったり、と少しずつ少しずつ準備をしてきました。

なので、必然的に長持ちするように水分をしっかり飛ばして、塩やお砂糖を聞かせて濃い味付けにしてきたんですね。

黒豆をしっかりと甘めに煮て日持ちするようにするのもそのひとつ。私はよく祖母に、おせちじゃなくても味薄目で煮汁がしゃばしゃばに残った煮物を作っては「こんなのすぐ腐る!」と散々怒られていました。(汗)

そのために、日持ちする順番につくっていくのも大切なおせちの準備です。日持ちする順番と、黒豆が一体どれくらい日持ちするのかチェックしましょう。

おせち料理の日持ちする順番は?作るうえでの注意点は?

こちらがおせち料理の日持ちする順番ですそして、大体のいつ作るかの目安となっています。また、よりしっかりと味を染み込ませた方が美味しい順で並んでいます。

  1. 佃煮…田作り
    ◆目安は12月27日
  2. 酢の物…紅白なます・酢れんこんなど
    ◆目安は12月28日
  3. 煮物…黒豆・栗きんとん・筑前煮・海老煮・昆布巻き・たたきごぼうなど
    ◆目安は12月29日~30日
  4. 焼き物…ぶりなどお魚の焼き物など
    ◆目安は12月31日または1月1日
  5. 切るだけの物…市松かまぼこ・お刺身(地域によります)など
    ◆目安は12月31日または1月1日

ただし、気を付けないといけないのは、これは昔ながらの風習ということです。そう、昔ながらの濃~い味付けで作った場合の日持ちの順番なんです。ここが大事な注意点。

現代で、いつ作るかを考える時に気を付けないといけないのが、日持ちに直結する味の濃さなんです。

砂糖の量で日持ちが変わる!!砂糖の量に要注意!

昔ながらの基本の割合で黒豆を煮る時、砂糖の量は乾燥した状態の黒豆と同じ量を使います。

長く日持ちするように果物でジャムを作る時と同じくらいの量の砂糖を使いますね。この場合、かなりしっかりとした甘みを染み込ませるので、日持ちはおよそ1週間ほど。保存状態がよければもう少し持ちます。

これは、砂糖の浸透圧のおかげで、食品の菌が増殖できない状態を保つことができるからです。そのため、砂糖の濃度が濃ければ濃いほど腐りにくくなります。

そこで、いつ作るか考える時に覚えておくと便利なのは、砂糖の量がおよそ50%以上で保存性が高くなり、70%以上でカビが殆ど生えないということです。

もちろん、温度と密閉状態などの保存状態や、食品と保存容器に残っている水分量にもよって変化するので、あくまで目安ですので注意してくださいね。

だけど砂糖量を好みのできるのが手作りの大きなメリット。せっかくの手作りだから砂糖の量を減らして作りたいですよね。でも日持ちは必要。

そんな時は、砂糖の濃度は黒豆の重さの70%ぐらいまでならOKです。

およそ5日~1週間の日持ちは大丈夫ですよ。その代わり、70%より少なくなると、日持ちがどんどん短くなるのでご注意ください。

黒豆の浸水が足りないとなかなか煮えない!浸水に必要な時間に要注意!

いつ作るか考える時に忘れてはならないのが、黒豆を煮るのにとっても時間が掛かることです。

いざ作ろうと思って「浸水を忘れていた!」なんてことになれば、この忙しい日に8時間以上のタイムロスからスタート…なんてこと私は何度かあります(笑)

そのため、どれくらいの時間が必要なのか、きちんと考慮して取り掛かるのも大事なポイントです。

水で戻す場合も、あらかじめ煮汁に漬けて戻す場合も、黒豆をしっかりふっくらと戻すのにかかる時間は8時間以上。

年末は特に気温が低く、水が冷たいのでしっかりと戻るまでに時間も掛かります。

また、気を付けないといけないのが、新豆でない場合です。実は、ひね豆と呼ばれる昨年収穫された豆を使う場合、しっかりと膨らむまでの時間も12時間以上が必要になります。

というのも、私は何度かこれで失敗したことがあります(汗)

しっかり浸水したつもりが「煮ても煮てもなんか固い!」というこれまた痛恨のタイムロス。そんな時は、新豆でない可能性が高く、浸水が不十分だったことが原因だったんです。

煮る時間も新豆に比べるてプラス1時間は必要になるんですよ。

そんな私は結局、煮直して予定以上に時間が掛かって大慌て、なんてことになりましたので(汗)購入する時に新豆かどうかの確認も忘れずに~。

どちらかわからなければ、前日の夜から朝までのひと晩以上はしっかりと漬けておくといいですね。

茹で時間と味を染み込ませるために必要な時間に要注意!

では実際の茹で時間はどうでしょうか。通常の鍋で作る場合は、黒豆と砂糖を同量に、水を黒豆の6倍でお醤油はほんのひとさじ程度。

あとは弱火でじっくりじっくり3~4時間。かなり時間が掛かりますよね。

茹で上がりの確認は、親指と小指で挟んで、という力の入らない指を使っても柔らかく簡単につぶせる程度まで煮ると味もしっかり染みて長持ちする、というのが昔ながらの祖母の教えでした。

トータルで見ると、浸水に8~12時間。煮る時間で3~4時間。合わせて11時間~16時間は必要です。

さらに、しっかりとそのまま冷まして1日以上は味を染み込ませるとより美味しく仕上がるので、結局は24時間以上は必要になりますね。

圧力鍋を使う場合は、圧力鍋によって仕様が違うので、加圧や加熱時間はしっかりと説明書を確認してください。

およその加熱時間は20分~30分程度ですが、やっぱりひと晩は寝かせて馴染ませた方が美味しいくなります。そして、圧力鍋だからといって同じく時間がかかるのは浸水時間。

これはやはり8~12時間必要ですので、注意してくださいね。

年末はとにかく時間がない!というあなたには裏技がおすすめ!!

実は、こんな裏技があるのをご存じですか?それはズバリ、冷凍テクニックです。

柔らかく煮あがった黒豆を、粗熱さえ取れてしまえば煮汁ごと保存用の袋か容器に移して丸っと冷凍しちゃうんです。

解凍する時は、そのままレンジでチンしてしまうか、丸ごと鍋に移して温めるだけという、ありがたい手軽さですね。

なぜこれが裏技かというと、茹で時間を少し短くちょっと固めに茹でても、冷凍することで細胞が壊れるからなんです。

つまり、解凍した時には、煮あがった時よりもずっとやわらか~くなっているのです。さらに嬉しいのは、その柔らかくなった分、味がしっかりと染み込むことなんですよ~。

これなら一日寝かせて、なんて必要ありませんね。

冷凍保存で助かるポイントはまだまだあります。冷凍で1か月近くは持つので、年末の繁忙期を避けて12月はじめ頃に作って冷凍しておけば、年末にバタつく必要はなしです。

また、一日毎に食べきる量毎にパックして冷凍しておくことで、三が日の間も必要分だけ解凍して腐らせることなく食べきることができますよ。

「大量に作ってしまった」という時や「砂糖の量を70%以下にもっと減らしたい」という時にもぜひお試しください。

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ズバリ、おせちの黒豆はいつ作るのがベスト?

では、ここまでの注意点を踏まえて、結局、おせちの黒豆はいつ作るのがベストタイミングかご紹介します。

まず、風習通りの日程でスケジュールを立てて少しずつ準備をしていく場合、12月28~29日頃がいいタイミングです。

三が日の間きちんと日持ちさせる、浸水と煮る時間、さらにひと晩寝かせて美味しく仕上げる、の条件をクリアするためにはこの時期に煮るのがベストタイミングですね。

ただし、この場合は、しっかりと味を濃い目に、水分少なめに、長持ちするように作ることを忘れないでくださいね。

次に、砂糖の量を減らして作る場合です。黒豆に対して70%以下の砂糖の量で作る場合は、日持ちを優先しなければならないので、ギリギリの12月30日か12月31日に作ることをオススメします。

70%以上の場合であれば、充分日持ちするので12月28~29日でOKです。

最後に、年末どうしても時間が厳しい!という場合には、12月のはじめに作って冷凍してしまいましょう。

その場合は、12月頭からクリスマスまでの間には作ってしまっておくと、年末バタバタしなくていいですね。

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まとめ

あなたにとっての黒豆を煮るベストタイミングは見つかりましたか?

ふっくらつやつやの美味しい黒豆、せっかく作るならぜひあなたにとって時間の使い方も甘さ具合もみーんな「美味しく」仕上げてくださいね。それでは、よいお年をお迎えください~。

 

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