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生前退位とは一体何のこと?天皇交代の前に知っておきたいその意味!

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天皇陛下のご退位が正式に2019年4月30日に決定し、2018年は「生前退位」という言葉をよく聞きましたね。

平成生まれの若い世代には、“天皇が変わる”というのは初めてのできごと。「生前退位」によってどうなるのか、わかりやすく解説します。

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生前退位と天皇交代、その関係と生前退位の意味とは?

昭和天皇の崩御により平成の時代が始まり、昭和天皇の第一皇子で皇太子だった現在の天皇陛下が天皇に即位されました。

「崩御(ほうぎょ)」とは聞きなれないフレーズですが、簡単に言うと皇帝や国王などの君主が亡くなるということ。昭和天皇も、父である大正天皇の崩御により即位しました。

近年では天皇の崩御により直系男子が天皇に即位していますが、これは明治時代から皇室典範(こうしつてんぱん)という皇室に関する法律で「天皇は終身在位する」と定められたからです。

日本の長い歴史上において生前退位(譲位)はよくあることで、昭和天皇までの124代の天皇のうち半分くらいは譲位をしていて、譲位は58回あったといわれています。

歴史上はまったく珍しくない譲位ですが、今回に限って「生前退位」という聞きなれない言葉で表現されるのは不思議ですよね。

終身在位が定められているのにご自身の意思で譲位をするのは「天皇の政治権力の行使にあたる」ととらえられる可能性があるので、あくまでも「譲位」ではなく「高齢により天皇のつとめを果たせなくなる前に退位する」ということだと思います。

天皇が終身在位となった理由は?

皇室典範で天皇の終身在位が定められているのは、

  1. 退位したあとに「上皇」となって天皇との二重権威となり弊害があるのでは?
  2. 天皇の意思にもとづかない退位の強制が起こるのでは?
  3. 天皇が恣意的に退位できるようになるのでは(憲法で禁じられている「天皇の政治権力の行使」につながるのでは)?

という懸念があるためです。

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何故生前退位が行われるのか?生前退位のメリットとデメリット

天皇陛下がご退位についてのお気持ちを表明されたのは平成28年(2016年)のこと。

80歳を超え、ご高齢になったご自身が今後も天皇としての役割を果たしていけるのか、天皇としてのつとめを果たせなくなった天皇が生涯天皇の地位にあり続けるのが国家や国民にとって正しいことなのかというお考えでした。

なかでも、天皇が崩御したときには1年間にわたって葬儀に関する儀式が続き、社会に与える影響や負担がかかることを強く懸念されていました。

昭和天皇崩御を覚えている世代の方は、体調を崩されてから崩御されるまでの間、連日テレビでご容態に関するニュース速報が流れる重々しい雰囲気を覚えているのでは?

生前退位のメリット

天皇陛下がお元気なうちにご退位されることのメリットは、以下のことが考えられます。

「天皇の高齢化問題」のひとつの解決策となる

天皇陛下が即位したのは50歳を過ぎてからで、生前退位がない場合は現在58歳の皇太子殿下が天皇に即位するのはさらに高齢になってからということになります。早めに次世代につなげることで、「高齢の天皇がつとめを果たせるのか」という問題が解決できます。

まもなく85歳になられる天皇陛下ですが、今でも地方で式典へのご臨席などのご公務も精力的に行っていますし、報道されなくても御所では毎日のように宮中祭祀が行われています。

公務や祭祀を減らすことには限界があるので、やはり高齢の天皇が生涯つとめを果たすのは無理があります。

崩御にともなう社会の混乱が軽減される

崩御にともなう天皇の代替わりと違い、先に次の世代に引き継がれていることで

  • 社会の混乱や影響が軽減されること
  • 葬儀に関連する儀式や費用の負担が在位中の天皇崩御に比べると少なくなる

と考えられます。

生前退位のデメリット

では、生前退位のデメリットはどうでしょうか。

元号が変わることによる影響

天皇の代替わりによって元号が変わるので、影響範囲が大きいこと。

プログラムやシステムで使用している元号の変更対応が直前までできないことや、元号を使用している文書や書類なんかは新しい元号への差し替えも必要ですし、カレンダー業界では「2019年のカレンダー印刷に間に合わない」という声もありました。

デメリットではありますが、崩御による代替わりに比べると事前にわかっている分、元号の変更もスムーズに行われるのではないでしょうか。

今回も皇太子殿下が即位される一か月前には新しい元号が発表されるというニュースがありましたね。

法の整備や退位のあとの在り方について考えないといけない

生前退位にともなう皇室典範などの法律の整備や、近年に例がない「退位したあとの天皇の地位」についての議論が必要になること。

天皇陛下がご退位へのお気持ちを表明されてから2年間でさまざまな議論がなされ、ようやくご退位のあとどのように過ごされるのかがはっきりとしてきました。

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まとめ

戦後、新しい憲法で「国家・国民の象徴」と定められた天皇の地位についたのは現在の天皇陛下が初めてです。象徴としての天皇の在り方についてずっと考え、実践して来られました。

ご高齢になったご自身が、象徴としてのつとめを果たせなくなることを懸念された結果「生前退位」へのお気持ちを表明されました。

高齢化社会といわれる現代では、“天皇の終身在位”は少し無理があるのかもしれませんね。

 

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