天皇陛下のご退位が正式に決まり、何かと話題になった2018年。
63年間続いた昭和の時代に比べて、平成の時代はおよそ30年で終わることになります。なんだか短く感じますが、今までの歴代天皇の在位期間ってどのくらいなのか、気になりませんか?
天皇陛下の在位期間、過去の歴代天皇と比べてみると意外なことがわかりました。
天皇退位、大体の歴代天皇はどれくらいで退位している?
初代神武天皇は神話の時代の天皇、それ以降確実に存在したと考えられるのは何代目の天皇からか、というのは諸説あります。
“文献などで即位年と退位年がはっきりと証明できるのは31代用明(ようめい)天皇からである説”で考えた、歴代天皇の平均在位期間を解説します。
今までの日本の歴史をざっくりと飛鳥時代(794年平安京遷都まで)、平安時代(794年~1185年)、鎌倉・室町・戦国時代(1185年~1600年)、江戸時代以降(1603年~)というふうに分けると、過去にさかのぼるほど在位期間は短い傾向にあります。
古来は天皇の在位期間は10年程度が多かった
確実に実在したといわれる31代用明天皇は586年に即位し、在位期間は3年間でした。36代孝徳(こうとく)天皇から46代孝謙(こうけん)天皇までの10代は104年で終わっているので、この期間の天皇は平均で10年程度の在位期間です。
794年に平安京に遷都した50代桓武(かんむ)天皇は奈良時代最後の天皇ですが、586年に即位した用明天皇から桓武天皇までで208年間、19人の天皇が即位しています。
平安時代の天皇は404年間で33人が即位しています。平均するとおよそ12年間の在位期間となり、飛鳥時代までに比べると少し平均在位期間が長くなっています。
戦国時代以降は?
鎌倉・室町・戦国時代では453年間で29人の天皇が即位し、平均在位期間はおよそ15年。徐々に在位期間が長くなってきます。
江戸時代以降は379年間で17人の天皇が即位し、平均在位期間はおよそ22年となり、さらに長くなりました。
即位時期がはっきりしている天皇の在位期間を合わせると現在までで1454年間に99人の天皇が即位しています(南北朝時代を含む)。全体の平均では14.69年で平均在位期間はおよそ15年となります。
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今回の天皇退位の時期は歴代と比較すると平均的なのか?
現在までの天皇で、即位から退位までの年数がはっきりしている天皇の平均在位期間はおよそ15年なので、現在の天皇陛下は平均よりも長い在位期間ということになります。
では、今までの歴史の中で一番在位期間が長い天皇はいつの時代なのかを見て見ましょう。
在位期間が長い天皇は?
歴代天皇の即位から退位までの年数をランキングにすると、こうなります。
2位:122代明治天皇(45年6か月)
3位:119代光格天皇(37年4か月)
4位:103代後土御門天皇(36年2か月)
5位:102代後花園天皇(35年11か月)
6位:33代推古天皇(35年2か月)
7位:60代醍醐天皇(33年2か月)
8位:105代後奈良天皇(31年4か月)
9位:100代後小松天皇(30年4か月)
10位:現在の天皇陛下(30年3か月)
10位以降は106代正親町天皇(29年1か月)、120代仁考天皇(28年10か月)、97代後村上天皇(28年6か月)、114代中御門天皇(25年8か月)と続きます。
ぶっちぎりで昭和天皇の在位期間が長いことがわかります。昭和天皇は神話の時代を除くと歴代で一番ご長寿の天皇(87歳で崩御)でもありました。
現在の天皇陛下はご退位される2019年までの在位期間は歴代で10番目の長さとなり、12月23日のお誕生日で85歳になられることから、昭和天皇に次いで二番目にご高齢で在位した天皇となります。
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まとめ
平成の時代が30年で終わると考えると短く感じますが、日本の歴史上ではむしろ長い時代であったということがわかりました。
近代では天皇の崩御による代替わりが続いていたので、お元気なうちにご退位されるのは江戸時代後期の119代光格天皇以来200年ぶりのこと。
天皇陛下のご退位は2019年(平成31年)4月30日、5月1日から新しい時代が始まり、皇太子殿下が次期天皇に即位されます。