名古屋市緑区にある、「有松町並み保存地区」へ行ってきました。
江戸時代に東海道の茶屋町として、絞り染めの産地として栄えたこの有松地区では、今も当時の町並みが保存されていて、歴史を感じられるスポットです。
有松へのアクセス
名鉄名古屋本線の有松駅が最寄り駅です。有松町並み保存地区へは、駅から歩いて3分ほど。
名古屋からは電車で20分ほどなので、気軽に行ける観光スポットですよ。
旧東海道有松の家並み
愛知県名古屋市緑区有松 県道 222 号線
有松の歴史と見どころ
有松は、江戸と京都をつないでいた東海道の池鯉鮒宿(ちりゅうのしゅく)と鳴海宿(なるみしゅく)の間にあります。宿場町のあいだの茶屋町として、また、絞り染めの産地として栄えました。
茶屋のほかの収入を確保するために始められたのが、今に残る「有松絞り」です。
有松町並み保存地区って?
有松の東海道沿道では、今もうだつがある屋根瓦、塗籠造(ぬりごめづくり)や虫籠窓(むしごまど)などがある、昔ながらの伝統的な建築のお屋敷が並んでいます。
絞り染めで財をなした商家の豪華なお屋敷と、絞り染めに関わる人々が住んだ町家が混在していて、歴史を感じるレトロな町並みが見られます。
有松は、国が選定する「重要伝統的建造物群保存地区」にも選ばれています。
町家の中が見学できるところもあります。障子が有松絞りで染められたかわいい模様になっていましたよ。
はしからはしまで歩いて10分くらいなので、保存地区はそんなに広い範囲ではないですが、車通りも少なくて、タイムスリップ気分を味わえます。
日曜日に行きましたが、観光客も少なめなのでゆっくりと散策できました。
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伝統の「有松絞り」
有松といえば、絞り染めの「有松絞り」が有名です。有松絞りには400年以上の歴史があり、国の伝統工芸品にも指定されています。
有松の絞り染めは、1608年に絞り染めの開祖である竹田庄九郎によって誕生しました。
尾張藩(現在の愛知県)が有松絞りを特産品として保護し、庄九郎を御用商人として取り立てたことから、有松絞りの歴史が始まりました。東海道を通る旅人たちの間で有松の絞り染めが話題となり、手ぬぐいやゆかたなどがふるさとへのお土産としてたいへんな人気だったそうです。
東海道で一番の名産品となって大流行した有松絞りと、有松のまちの繁栄ぶりは葛飾北斎や歌川広重など有名な浮世絵画家にも描かれています。現在も、日本の絞り製品のほとんどが有松で生産されていて、絞りの技法には100種類もあるんだとか。
大河ドラマや時代劇などの衣装にも、有松絞りが使われているそうですよ。実際に絞り染めを体験できる施設もあります。
新しい有松絞り、「まり木綿」
有松駅近くにある、まり木綿という絞り染め屋さんが若い女性にとくに人気があります。
まり木綿
愛知県名古屋市緑区有松1901
名古屋芸大を卒業した女性二人のユニットが作る有松絞りは、伝統の技法と現代の感覚を組み合わせたポップで斬新なデザインで、若い世代にうけています。
伝統的な有松絞りはポコポコとした絞りの独特な模様があるのが特徴ですが、まり木綿にはポコポコ感がなく、平面的な幾何学模様なのが特徴。
手ぬぐいやコースター、がま口などの気軽に変えて普段から使える小物が多いのもうれしいですよね。
どれも色使いがかわいくて、かなり迷ってしまいました。はぎれセットと手ぬぐいを購入して、手ぬぐいはカーテン代わりに使っています。
桶狭間古戦場も近い!
有松と桶狭間は、同じ名古屋市緑区にあって徒歩で行ける範囲です。「桶狭間の戦い」って、聞いたことありませんか?
まだ織田信長が尾張の小大名だったころ、駿河(静岡県)の有力武将である今川義元を倒した合戦です。桶狭間は昔からある地名なので、今でも「桶狭間中学校」などがあって普通に使われています。
今回は行けませんでしたが、有松の観光案内所では桶狭間を紹介するパンフレットなどもありました。清州城を出発した織田信長が通ったルートや、ゆかりのある場所が載った地図も。
いつかは行ってみたいです。名古屋市熱田区の熱田神宮には、桶狭間の戦いで勝利した織田信長が奉納した「信長塀」があります。
熱田神宮についてはこちらをご覧ください。
まとめ
昔の町並みが残る有松は、駅からも近くて気軽に散策できる観光スポットでした。町家を利用したおしゃれなカフェやパン屋さんなど、女性が好きそうなお店もたくさんあっておすすめですよ。