天皇陛下のご退位が正式に決まり、2018年は何かと「平成最後」というフレーズが話題となりましたね。現在30代後半以上の年齢の人は、昭和64年(1989年)の昭和天皇崩御を覚えていると思いますが、若い方は天皇の“代替わり”はこれが初めてとなりますね。
何かと話題になった今年、「天皇」について興味を持った方も多いのでは?現在の天皇家の宮家の関係と、歴代天皇の歴史をわかりやすく解説します。
天皇の家系図とその関係性について徹底的に解剖!
まず、現在の天皇陛下が何代目の天皇なのかを知っていますか?
なんと125代目!世界の王室・皇室で一番長い歴史を持つのが日本の天皇家なんですよ。
そして、現在天皇の位にある天皇陛下のことは「今上(きんじょう)天皇」といいます。元号+天皇と呼ばれるのは崩御されたあとのことで、昭和の時代の天皇陛下のことは「昭和天皇」と呼びますよね。
つい最近、高円宮家の三女絢子さまがご結婚されたとき、ニュースで天皇家の家系図を見た人も多いのでは。
“〇〇宮家”と聞いたことがあっても、天皇陛下との関係までわからないという人のために、わかりやすく解説します。
現在の天皇家と宮家のご関係は?
現在の皇室ご一家の範囲は、天皇皇后両陛下とそのお子様方、お孫様方と昭和天皇のご兄弟である三笠宮(みかさのみや)さまのお子様方、お孫様方と天皇陛下のご兄弟である常陸宮(ひたちのみや)さまご夫妻で構成されています。常陸宮さまにはお子様はいません。
天皇皇后両陛下のお子様は皇太子殿下と秋篠宮(あきしののみや)さま、紀宮(のりのみや)さま(黒田清子さん)の3人です。
皇太子殿下の妻が雅子さま、お子様が愛子さま。秋篠宮さまの妻が紀子さま、お子様が眞子さま、佳子さま、悠仁さま。天皇陛下直系のご家族となるのはここまで。
続いて三笠宮家は、現在94歳になられる三笠宮妃百合子さまと、お子様の三笠宮寛仁親王殿下の妻である信子さま、寛仁親王のお子様の彬子さまと瑤子さま。
三笠宮さまの三男高円宮憲仁親王の妻である久子さま、お子様の承子さま、典子さま(千家典子さん)、絢子さま(守谷絢子さん)。
降嫁された女性皇族を除くと、現在の皇室ご一家は18人です。
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初代天皇は「天孫降臨」で有名な神武(じんむ)天皇。神武天皇から25代武烈(ぶれつ)天皇までは実在したのか定かではなく、神話や伝説上の人物とされています。
歴代天皇の名前って、全部知っていますか?125代なのでかなり長いですが、日本の歴史と合わせてチェックしてみましょう。
神話の時代の天皇は実在しなかった?
神武天皇以降は綏靖(すいぜい)天皇、安寧(あんねい)天皇、懿徳(いとく)天皇、孝昭(こうしょう)天皇、公安(こうあん)天皇、孝霊(こうれい)天皇、孝元(こうげん)天皇、開化(かいか)天皇と続き、10代天皇が崇神(すじん)天皇です。
初期の天皇は古事記や日本書紀に登場しますが記紀は歴史に基づいたものではないとされ、この時代の天皇は架空の人物説が強いです。
「大和政権」の天皇、10代以降は実在した説も!
崇神天皇は大和政権で最初の天皇で、崇神天皇以降は実在するという説もあります。
崇神天皇以降は垂仁(すいにん)天皇、景行(けいこう)天皇、成務(せいむ)天皇、仲哀(ちゅうあい)天皇、応神(おうじん)天皇、仁徳(にんとく)天皇と続きます。
16代仁徳天皇は、教科書にも出てくる前方後円墳の“仁徳天皇陵”で聞き覚えがありませんか?
仁徳天皇以降は履中(りちゅう)天皇、反正(はんぜい)天皇、允恭(いんぎょう)天皇、安康(あんこう)天皇、雄略(ゆうりゃく)天皇、清寧(せいねい)天皇、顕宗(けんぞう)天皇、仁賢(にんけん)天皇、25代武烈天皇と続きます。
21代雄略天皇は、実在を証明できる最初の天皇といわれていますよ。
応神天皇の5代あと、遠縁の継体天皇が即位
武烈天皇には跡継ぎがなく、26代天皇はなかなか決まりませんでした。26代天皇に即位したのが継体(けいたい)天皇で、15代応神天皇から5代あとのかなりの遠縁。
在位期間が正確にわかっているのも、この継体天皇からです。
継体天皇以降は安閑(あんかん)天皇、宣化(せんか)天皇、欽明(きんめい)天皇、敏達(びだつ)天皇、用明(ようめい)天皇、崇峻(すしゅん)天皇、推古(すいこ)天皇へと続きます。
飛鳥時代の天皇、日本初の女帝・推古天皇
33代推古天皇は覚えている人も多いのでは?
日本の歴史上初めての女帝で、聖徳太子(厩戸皇子)のおばにあたります。
推古天皇以降は舒明(じょめい)天皇、皇極(こうぎょく)天皇、孝徳(こうとく)天皇、斉明(さいめい)天皇、天智(てんち)天皇。38代天智天皇は「大化の改新」でおなじみですね。
天智天皇の次は弘文(こうぶん)天皇、天武(てんむ)天皇、持統(じとう)天皇と続き、41代持統天皇も女帝です。
持統天皇以降は文武(もんむ)天皇、元明(げんめい)天皇、元正(げんしょう)天皇、聖武(しょうむ)天皇。45代聖武天皇は、奈良の大仏で有名な東大寺を建立しました。聖武天皇の次の46代孝謙(こうけん)天皇も女帝です。
孝謙天皇の次は淳仁(じゅんにん)天皇、称徳(しょうとく)天皇、光仁(こうにん)天皇と続き、50代桓武(かんむ)天皇でようやく平安時代に突入です。
平安時代の天皇
桓武天皇は平安京への遷都をした天皇。これ以降は平安時代の貴族文化華やかな時代です。なんとなく聞いたことのある名前もちらほら。
桓武天皇の次は平城(へいぜい)天皇、嵯峨(さが)天皇、淳和(じゅんな)天皇、仁明(にんみょう)天皇、文徳(もんとく)天皇、清和(せいわ)天皇、陽成(ようぜい)天皇、光孝(こうこう)天皇、宇多(うだ)天皇、醍醐(だいご)天皇と続きます。
現在も学問の神さまで有名な菅原道真公を太宰府に左遷したのが、60代醍醐天皇。
61代朱雀(すざく)天皇、村上(むらかみ)天皇、冷泉(れいぜい)天皇、円融(えんゆう)天皇、花山(かざん)天皇、一条(いちじょう)天皇と続き、66代一条天皇の時代には清少納言や紫式部が活躍しました。
67代三条(さんじょう)天皇以降は藤原氏が政治を取り仕切るようになり、摂関政治が始まります。
68代後一条(ごいちじょう)天皇、後朱雀(ごすざく)天皇、後冷泉(ごれいぜい)天皇、後三条(ごさんじょう)天皇と続き、ようやく藤原氏から政治を取り戻し、院政時代が始まります。
院政時代の天皇
退位したあと「上皇(じょうこう)」となり、退位後も政治を取り仕切るのが院政システムです。72代白河(しらかわ)天皇が退位し、上皇となったのが始まりでした。
73代堀河(ほりかわ)天皇、鳥羽(とば)天皇、崇徳(すとく)天皇、近衛(このえ)天皇、後白河(ごしらかわ)天皇、二条(にじょう)天皇、六条(ろくじょう)天皇、高倉(たかくら)天皇、安徳(あんとく)天皇と続きます。
81代安徳天皇は、源平合戦の「壇ノ浦の戦い」により6歳で入水崩御した悲劇の天皇です。
室町時代、南北朝の対立
82代後鳥羽(ごとば)天皇、土御門(つちみかど)天皇、順徳(じゅんとく)天皇、仲恭(ちゅうきょう)天皇、後堀河(ごほりかわ)天皇、四条(しじょう)天皇、後嵯峨(ごさが)天皇、後深草(ごふかくさ)天皇、亀山(かめやま)天皇、後宇多(ごうだ)天皇、伏見(ふしみ)天皇、後伏見(ごふしみ)天皇、後二条(ごにじょう)天皇、花園(はなぞの)天皇と続きます。
96代後醍醐(ごだいご)天皇は、語感の良さから覚えている人も多いのでは?
後醍醐天皇以降は鎌倉幕府との対立から朝廷が真っ二つに分かれ、南北朝の時代となりました。
後醍醐天皇以降は後村上(ごむらかみ)天皇、長慶(ちょうけい)天皇、後亀山(ごかめやま)天皇と続き、後醍醐天皇から後亀山天皇までが「南朝」の天皇です。
100代後小松(ごこまつ)天皇は北朝6代目の天皇で、それ以前に即位した5人の天皇は現在まで続く125代にはカウントされていません。
南北朝の統一、戦国時代から江戸時代へ
101代称光(しょうこう)天皇、後花園(ごはなぞの)天皇、後土御門(ごつちみかど)天皇、後柏原(ごかしわばら)天皇、後奈良(ごなら)天皇、正親町(おおぎまち)天皇へと続きます。
106代正親町天皇は、織田信長や豊臣秀吉の時代の天皇です。
戦国時代以降は天皇が政治に参加できず、江戸時代には徳川幕府が実質的に政治を行うようになりました。107代後陽成(ごようぜい)天皇の時代に豊臣秀吉が死に、徳川家康が幕府を開きます。
108代後水尾(ごみずのお)天皇、明正(めいしょう)天皇、後光明(ごこうみょう)天皇、後西(ごせい)天皇、霊元(れいげん)天皇、東山(ひがしやま)天皇、中御門(なかみかど)天皇、桜町(さくらまち)天皇、桃園(ももぞの)天皇、後桜町(ごさくらまち)天皇、後桃園(ごももぞの)天皇、光格(こうかく)天皇、仁考(にんこう)天皇と続きます。
119代光格天皇は、上皇という称号で呼ばれた最後の天皇です。天皇陛下は退位後に上皇とならないので、光格天皇が最後の上皇のままですね。
大政奉還、近代の天皇
121代孝明(こうめい)天皇の在位は江戸時代終盤、開国や倒幕の動きが出てくる時代です。徳川幕府15代将軍徳川慶喜が大政奉還をし、徳川家が265年間もの長い間握っていた政権を朝廷に返しました。
122代は明治天皇の時代には、794年に平安京が京都にできてから初めて東京へと遷都されました。123代大正天皇は在位期間が短く、大正時代は15年で終わっています。
124代昭和天皇は、神話の時代以外の正確な記録が残る中では一番長生きした天皇(87歳)で、在位期間も一番長い天皇です。
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まとめ
神話の時代から続く天皇の歴史は、まさに日本の歴史とともにありました。
126代目の天皇となる皇太子・徳仁親王殿下の即位の儀式が行われるのは、2019年10月22日。
生きているうちにそう何度もない天皇の代替わり、さらに119代光格天皇以降初めての「譲位」となるので、後世に残る歴史的な瞬間でもありますよ。