夏休みの宿題には必ずつきものの「読書感想文」。
小学校低学年であればあるほど、そんなもの書いたことがないので、子供はいつまでも書けずに「わからない!」と後回しにするし、親は親で、それを見てヤキモキするものの、どう書いたらいいのかを的確に教えられずに悩んじゃうのが普通ですよね。
うちもそうでした。
2人の子供はもうすでに大きいのですが、小学生時代は一緒に読書感想文について悩んだものです。
幸い私は、大学で文学を専攻していたこともあり、読書感想文の書き方については少しだけ知識があり、自分の子供だけではなく、お友達のお子さんの読書感想文を見てあげたりもしていました。
このページでは、そんな私の体験談もふまえ、10数年の時をへて私が身につけてきた読書感想文を書くコツについて、小学校低学年の場合を例にして、わかりやすくアドバイスします。あなたのお子さんの夏休みの宿題の手助けになれれば幸いです。
低学年の読書感想文の悪い例
まずここで、低学年の子供がやりがちな、読書感想文の悪い例についてご説明します。
あらすじしか書かない
必ずおちいる悪い例。それはズバリ、あらすじだけで終わってしまうことです。
「この本についての感想を書くんだよ」と言うと、まず9割方の子供はあらすじを書き始めます。
登場人物は誰それで、誰が何をして、そしたら誰がこう言って、こうなってああなって…。
というのを延々と書き続けるのが自然の流れです。
一見、たくさん書いていてOKであるような気がするのですが、これは感想文ではありません。ただ、本の内容を説明しただけにすぎません。
読書感想文なのですから、感想の部分がないといけません。
これを解消するために、これからご紹介するコツを利用してくださいね。
親が直しすぎ
小学校低学年の子供にとって、読書感想文なんて、書けなくて当たり前です。
ぐちゃぐちゃでも、要領を得てなくても、当たり前なんです。
なのに親が必要以上に口を出して、自分で文章まで考えてしまったりしたら、子供のためにもなりませんが、それ以上に、思いっきりバレます。
ちょっと考えればわかることですよね。
お子さんを頭良く見せたい親心はよ~くわかりますが、親が書いたのがバレるほど恥ずかしいことはありませんし、お子さんの評価を下げることにもつながります。
ここは、直したい気持ちをぐっと我慢して、お子さんの自主性に任せましょう。
原稿用紙3枚分の読書感想文の構成
本当は感想文なので、感想だけで原稿用紙3枚を埋めたいところなんですが、それはさすがに荷が重いです。
そもそも本をちゃんと読んでいない子供にとって、感想をひねり出すのは至難の技だからです。
なので、比較的得意なあらすじで6割。感想は4割程度にしておくと負担が少なくていいです。
もちろん、感想の割合がもっと増えてもいいのですが、あらすじがこれ以上増えないように注意です。
原稿用紙3枚にあてはめると、2枚弱をあらすじに使い、残りの1枚ちょっとを感想に使う感じがちょうどいいです。
ここから先は、各パートについて詳しく解説していきます。
書き出しについて
どういうふうに書き出したらいいのか?そこは本当に悩みますよね。
いろいろなパターンがありますが、こんな感じが無難でいいのではないでしょうか。
あらすじ部分について
書き出しに続いて、本のあらすじを書いていきます。
ここは、どんなに下手くそでも、子供の言葉で書かせてください。
ネット上からあらすじを持ってきて写したりすれば、一発でバレてしまいますし、親の理想を押し付けて何度も書き直しをさせると、肝心な感想部分に突入する前に子供がイヤになってやめてしまいます。
うちの子供もそうでしたが、子供はあらすじを書くのは割とできます。
このあとの山場である「感想部分」に親の手を入れるためにも、ここは頑張って子供に書かせましょう。
へたくそであればあるほど逆にリアルな感想文になります。
学校の先生は上手な文章を求めているのではなく、その子の頑張りや、何を感じたか?を見ているんです。
感想部分について
全体の感想を書こうとすると、どうしても「面白かった」などの漠然とした感想になってしまいます。
それでは紙面も持ちませんので、本の中の一部分を小さく切り取って取り上げましょう。
たとえば、
- 主人公が友達にこんなことを言われた
- こんな場面で主人公がこんなことをした
などの、出来事があると思います。
何か1つ議題を取り上げて、それについて「僕が思ったこと」を書かせましょう。
「悲しい」「嬉しい」「怒った」「感動した」などの「感情」を書かせれば間違いないです。
「その通りだと思った」「僕ならこうすると思った」「それは間違っていると思った」などの感想でもOKです。
要は、その子ならではの感じたことが伝わればいいんです。
個別の出来事が探しにくければ、全体を通してのテーマから攻めてもいいでしょう。
たとえば、全体的に友情がテーマならば、友達とのエピソードが現れている部分を探し、その出来事についての感想(僕ならこうする・可哀相だと思った・主人公の気持ちがわかる)などを考えさせるんです。
1つだけじゃ文章が足りないと思ったら、もう1つの出来事を探しましょう。
本の中で3つくらいは、何かしら印象に残る出来事があるはずです。
もちろんここは、お母さんが手伝ってあげないといけない場面です。
おそらくお子さんだけではこの作業はできません。
そのためにも、あらすじパートでは子供だけで文章を書かせたわけです。
「ここについてはどう思った?」そう聞いてあげて、文章もある程度考えてあげちゃってください。
本の内容について、お母さんと一緒に考える作業と言うのは、子供の教育にとっては価値のあること。
ただ単に親が子供の宿題を手伝っているのとはちょっと違います。
終わり方について
特に、綺麗に終わる必要はありません。
最後の感想を書いたところで、量が指定の量に達していれば、もうおしまいにしてもいいと思います。
あまり綺麗にシメても、子供が書いた感がなくなります。
とにかく小学校低学年の場合は、へたくそで当たりまえ。読書感想文は、書くことに意義があるんです。
上手なものを書かせようとしたら、かえって評価が低くなります。
全体の口調について
どんな口調で書かせればいいの?というのも悩むところですよね。
でもここは、「ですます」言葉が一番自然です。
「こんなことがありました。」「それは許せないと思います。」などなど。
ただ、途中で口調が変わってしまうことがあったとしても、そこはあえてそのままにした方がリアルかもしれません。
あまりにぐちゃぐちゃで文章になっていない場合は、ですますに統一するように促した方がいいですが、完璧を求める必要はありません。
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まとめ
小学生の低学年の子供が、夏休みの読書感想文を書くコツについて、私なりのアドバイスをご紹介しました。
いかがでしたでしょうか。
ポイントは、低学年なんだから、質の高いものは望まれていないということです。
親が手や口を出し過ぎず、お子さんの個性を出した感想文にしてあげてください。
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